2024-09-27

雑記

この秋、ウェブショップを立ち上げるとともに、もう一つの小さな試みをやってみました。

皆さんの日常の中に「糸を吐く虫」を置き、その虫が口から絹糸を吐き、繭の中に入っていく様子を見て、その人なりの「何か」を感じていただきたいという思いを、小さく形にしてみました。

蚕をご自宅に持ち帰り、見守っていただいた皆さんには、できた繭をどうするかという選択を、これからしていただかなくてはなりません。

多くの方にお声がけすることはできなかったのですが、糸を吐く直前の蚕と、その方の日常を過ごして頂き、みなさんそれぞれに様々に思いを巡らせて頂いたようです。

私も、私の所で糸を吐く小石丸たちを見ながら、あちこちで愛でてもらっているであろう蚕たちを思い、それを見つめているであろう人を思い、離れた場所で神秘的な体験の共有をしていることに不思議な感じがしました。

「私」は蚕の口から出る絹糸を使い「越前奉書紬」と名乗って絹織物を作っていいます。

それを通じて常々思うことは、それをやっているのは「私」であって「私」でないということです。

この長い歴史と不思議な運命を持つ「蚕」という虫の来し方、人との在り方を思うと、それはもう宇宙的としか言いようがなく、なんだって丸ごとそれでいいような気になってきます。

何の話かよく分からなくなってきました。

正しさとは?

間違いとは?

善とは? 悪とは?

生きるとは?

皆さんは「蚕」という虫を通じて、何が見えますか?

玉小石 奉書紬 Kinuiro

絹は絹色 あなたはあなた色 もっと自由に ありのままに

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