2022-06-13

人と蚕

蚕の歴史は古く、古代中国の推定5000年前の遺跡から絹片が発見されているという。
日本に蚕が伝来したのは2~3世紀頃だそうだ。
 
それから1700年程もの長い間、蚕という白い虫の命と、それを養う技は脈々と受け継がれてきたということになる。
蚕は自身の力のみでは命を繋ぐことができないのに、である。
 
改めて考えてみればものすごいことだ。
 
蚕の口から出る白い糸が、いかに人の心を魅了したか、いかに人を惑わせたか。
人類の歴史は、蚕と共にあるといっても過言ではないとさえ思う。
 
しかし近年になり、人は蚕の糸でなくとも、いろいろな点で魅力的な糸を作る術を見つけ出し、糸の原料としての蚕は以前ほど必要とされなくなって久しい。
 
人の着るもののために命を繋がれてきた蚕は、これからは新たな分野で人のために命を繋がれていくようだ。
 
かつて羽二重王国として名をはせた福井の、ただ一軒のこっている養蚕農家に育てられた今年の蚕たちは、私たちに何を伝えようとしているのかな。
 
 

玉小石 奉書紬 Kinuiro

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