2022-01-15

なぜ?

機械で出来ることを手でする事の意味を、20代の頃からずっと考えています。
 
座繰りで糸を挽いているのをはじめて見た驚き。
糸は工場で機械が作るものだと思っていました。
そこにいる○○さんが作った(挽いた)糸。
 
それを△△さんが織って布ができる。
 
目の前で糸が作られ、精練・糊付け・綛繰り・整経・機織り…。
 
身近な素材で作ったシンプルな道具を使い、人の手足を動かすことで、繭が形を変え糸になり、あちこちするするくるくると巻き返され、トントン織って最後には身に纏う布になるのです。
 
ちなみに原料の繭は□□さんが作ってる。
 
人の手が布を作り出す、そのことにただただ驚きました。
 
その驚きと感動を、友人に熱く伝えましたが、伝わりませんでした。
 
「人の手ですることの、何がすごいの?」
・・・
何がすごいんでしょう。
 
私はうまく答えられませんでした。
 機械で作るのが当然だと思っていたものが、人の手から生み出されること。
それのどんなところがすごいのか。
 
なぜ私は、手で糸を作り、布を作ろうとするのでしょう。
風合いの違いを求めて?
 
もしもAIを使って、人が一から作った布と全く同じ風合いのものを作り出したら???

玉小石 奉書紬 Kinuiro

絹は絹色 あなたはあなた色 もっと自由に ありのままに

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