2020-04-13
風の強い日
夜明け前から風が強く吹いています。ここ三國湊は海からの風を受けやすく、風を感じることが多いです。
仕事場にしているあとりえは古い木造で、少しの風で室内の襖や障子がかたかたと音を立てます。今日のように空気が湿り気をおびた日は、膨らんで波打った障子紙もぽこぽこ音を出します。家が何か話かけてきているようです。
昔のことを話しているのでしょうか。
ご縁があってともに過ごすことになったこの家も、糸の道具たちも、繭たちも、ずっと昔からつながってきて今ここにあるのです。
この場に私がいることが、今日はとりわけ不思議に感じます。
人の言葉を話さない、この歴史ある物たちは、人々の騒ぎをどんな思いで見ているのでしょうね。