玉小石奉書紬

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奉書紬

撮影/藤田順一

江戸時代より、福井は絹織物の産地として名をはせていました。
・福井城下では養蚕・製糸から機織りまで行われていました。
・その織物が、奉書紙のように美しかったことから「奉書紬」と名付けられ、武士の紋付きや法衣、公儀献上品として全国に広まりました。
・今ではその名を知る人も少なくなってしまいましたが、世界に羽ばたく福井羽二重の礎となった織物です。

       

玉小石

・日本の原種繭である「小石丸」の性質を受け継いだ、繊細かつ丈夫で、輝くような糸質の繭です。
・玉繭(偶然できる双子の繭)のできやすい品種で、糸にしたとき空気を多く含み、玉繭独自の「ふし」が現れます。
・一つの繭からとれる糸量が極端に少なく、また「ふし」があり扱いにくいことから、市場に大量に出回ることはほとんどありません。

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繭 福井産「玉小石」(杉本養蚕)100%使用
経糸 座繰り製糸による甘撚り単糸・玉繭使用
緯糸 座繰り製糸による甘撚り単糸・玉繭使用
手織り・植物染料による草木染め
 ・福井唯一の養蚕農家さんの作る繭「玉小石」のよさを最大限に引き出すため、無理な力を極力かけず、全工程を手作業にて行っています。
・お蚕さんの吐いた糸の天然のウェーブを生かすため糸よりをほとんどかけていません。
・機織りも張力をかけずに糸に負担をかけないように行っています。
・空気を多く含み、軽くてしなやかな織物となっています。
・玉小石独特の艶やかな輝きと、やわらかな風合いをお楽しみいただけます。
・ふくらみのある座繰り糸や節のある玉繭の糸は、隣の糸とからみ合い織りにくいので、一般的に経糸には使用されません。
・しかしあえてその糸を経糸に使うことで、経糸と緯糸の交わりが他の織物にはない味わいが生まれます。
・非常に時間がかかる設計ですが、「玉小石」という繭の特性を生かすための、手仕事だからこそできることなのです。
・染めは糸や布を、草木染の職人さんにお願いして染めていただいています。

玉小石奉書紬 kinuiro

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